書評 book review 2004 10 24

書名 知識資本主義
    (ビジネス、就労、学習の意味が根本から変わる)
著者 アラン・バートン=ジョーンズ
出版社 日本経済新聞社(2001年4月2日出版)
KNOWLEDGE CAPITALISM
Alan Burton-Jones

 「知識資本主義」という本は、
最近、ダイヤモンド社から、レスター・C・サロー氏の本が出版されていますが、
私は、アラン・バートン=ジョーンズ氏の本の方が、強い印象が残りました。
 この本の紹介文が、その内容を的確に表現していますので、引用します。
「貨幣や土地、労働に代わる最も重要な資本として、『知識』が急浮上している。」
「本書は、労働の供給よりも知識の供給が重視されるようになることや、
社内外の知識を最大限に生かし統合させるうえで、
企業の所有や経営が変わらざるを得ないこと、
知識を手段とする個人にとって『学習』の意味が変わること、
新しい資本家の登場について説く。」

 今までの「古い資本主義」は、
貨幣や土地、労働が、資本となってきました。
 しかし、これからの資本主義は、
つまり、「新しい資本主義」は、知識が、資本となるでしょう。
 これは、後に、産業革命ではなく、
「価値革命」と呼ばれることになるでしょう。
資本主義の持つ価値に、革命が起きるでしょう。
 この本は、アメリカのために書かれたのかもしれない。
アメリカは、工業国家をやめて、どこへ行くのか。
その道標になるかもしれない。
 アメリカは、工業国家から消費国家になって終わってしまうか。
現代のローマ帝国は、このまま終わるのか。
それとも再生するのか。
 ローマは、「共和政のローマ」から「専制ローマ帝国」へと変り、
そして、「専制ローマ帝国」は、「西ローマ」と「東ローマ」に分裂した。
今のアメリカも、「共和党支持者」と「民主党支持者」で分裂している。

アメリカ America 2004 10 15
 アメリカは、軍事産業を除けば、
いつの間にか、工業国家を止めて、消費国家になったと言えます。
だから、工業的な業績は期待できないでしょう。
 これは、日本人から見れば、大変なことだと思うでしょうが、
アメリカにとっては、消費国家でも問題ないのです。
ドルが基軸通貨である限り、理論的には、いくらでも借金ができます。
 ただ、この基軸通貨が、ユーロの出現によって揺らいでいるのです。
ドルが基軸通貨でなくなると、消費国家は続けられません。
だから、ドルが基軸通貨であり続けるための演出をしなければならないのです。
対テロ戦争は、そのための演出かもしれません。
 おそらく、ユーロの出現が、アメリカを追いつめたとも言えます。
私は、初めて、ユーロ紙幣のデザインを見た時、
「狙いは、基軸通貨にあるのではないか」と思ったものです。
それに比べて、日本の紙幣のデザインは、あまりにもローカルです。
それは、日本の通貨当局に、国際感覚がないからです。




















































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